遂に冬に至る

 「冬至」(とうじ)は1年のうちで最も昼が短く、夜が長い日です。1年間で太陽の位置が最も低くなるためです。

 冬至は1年を24の季節に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)の一つで、旧暦の数え方のため新暦で考えるとその日は毎年異なりますが、12月21日か22日のどちらかになるようです。本来の冬至は始まりの日から15日間を指しますが、現在では一般的に始まりの日を「冬至」といいますね。

 冬至のイベントといえば柚子をお風呂に浮かべる柚子湯でしょうか。冬至風呂といわれるこの習慣は、江戸時代の銭湯から流行した日本独特の文化のようですね。「冬至に柚子湯に入ると風邪を引かぬ」ということわざもあるようで、科学的にも柚子湯には血行促進効果が認められているみたいです。

 冬至にかぼちゃをたべる習慣もあります。かぼちゃの収穫は夏から初秋ですが、かぼちゃは時間がたつにつれて栄養価が高くなってくようです。そのため冬のかぼちゃは栄養価が高いんですね。そのため、冬至に栄養の沢山とれる冬のかぼちゃを食べることが習慣化したようです。

 冬至の季節は夕方も早々に夜があっという間にやってきます。早くお風呂に入って柚子に温めてもらいしょう。

宝くじなんかかっても意味ない?

 年末の風物詩になりつつある、宝くじ。買ったことありますか?一等10億円なんていう当選額もあり、夢がありますね。実際当たるかどうかは別として。

 宝くじは、通称「宝くじ法」といわれる「当せん金付証票法」に基づいて地方自治体が発行しています。都道府県と20の指定都市が発売することができ、その収益金は地方財政で活用されています。

 宝くじの売上金は、約半分が当選金として当選者に、もう半分から事務費や広報費を除いたものが地方自治体の財源となります。全国の一年間の販売実績は8000億円以上。毎年4000億円近くの当選金が出ていると考えると夢があります。

 収益金の使い道は都道府県や都市によって様々です。防災対策や公園整備、教育施設の建設改修などの財源となります。教育施設などに、宝くじの収益金が使われています、というステッカーが貼ってあることがありますね。税金と同じように公共事業の財源として使われているわけです。

 年末ジャンボ宝くじの1等のあたる確率は2000万分の1。まず当たらないと考えていいでしょう。また、宝くじの、買った金額に対して当たる金額の期待値は極めて低いです。期待値は当然マイナスです。すべての宝くじを買っても必ず損をします。それなのに人気があるのは、当選番号の発表に一喜一憂するのを楽しみにしている人が多いのでしょうか。

 自分が購入した金額の一部が誰かの生活を豊かにするために使われていると考えれば、みんなで楽しむのもありなのかもしれないですね。

神様ほいほい。

 12/13は正月事始め(しょうがつごとはじめ)という、正月を迎える準備を始める年中行事の日です。昔はこの日に門松やお雑煮を炊くための薪など、お正月に必要な木を山へ取りに行く習慣がありました。江戸時代に使われていた宣明暦では、12/13は婚礼以外何をするにも縁起がいいとされる「鬼の日」でした。そのため、正月の神様を迎えるための準備をこの日にしたとのことです。

 煤(すす)払いは、正月に年神様を迎えるために、1年の汚れを落とす行事です。寺や神社では長い竹を使い上の方を掃除していますね。

 門松も準備します。正月に家の門の前などに立てられる松や竹を用いた正月飾りです。「松は千歳を契り、竹は万歳を契る」といわれ、神様がずっと家にいてくれることを願うそうです。その年の神様は門松を見印に家にやってくるとか。竹の先端部の形状は、斜めに切った「そぎ」と、真横に切った「寸胴(ずんどう)」の2種類があります。斜めに切り落とすそぎは、徳川家康が始めたものといわれており今では門松の竹といえば斜めに切ってあるものが一般的です。

 「しめ飾り」は、家の中が年神様を迎えるために清められた場所であることを示します。しめ縄にミカンと折った紙がついているイメージのあるあれです。もとは、しめ縄に縁起物をつける飾り物であるようです。松や絵馬などをつけることもあります。

 鏡モチは神様の居場所として飾るものです。昔から「餅」は神様に捧げる神聖な食べものとして、祝い事や祭りには欠かせないものでした。その上にさらに縁起物をのせたりするわけです。モチは1/11の鏡開きでお汁粉などにして食べましょう。

 正月に良い神様にできるだけ長くいてもらおうと、各家で試行錯誤してきたわけですね。評判の良い家にはたくさんの神様が集まるのでしょう。

お歳暮といえばハム

 お歳暮の時期です。普段お世話になっている人に「来年からもよろしくお願いします」という気持ちを込めて年末に贈り物をする習慣ですね。送る時期は、だいたい12月上旬~12月25日頃までとされていますが地域によって少し違いがあるようです。

 お歳暮の起源は、その年の暮れにお世話になった人に対し感謝するなどの歳暮周り(せいぼまわり)と呼ばれる年中行事にあります。この時の贈り物がお歳暮と呼ばれていましたが、現在ではお歳暮という言葉は贈り物を指すことが一般的です。

 お歳暮といえば、ハムのイメージがあります。実際に贈り物として一番人気があるようです。なぜハムを送る文化が出来たかというと、明治時代に当時高価なものとして明治天皇に献上されていたことが理由のようです。その後安価になったハムは保存食としても優れていたため、贈り物として定着したようです。

 お歳暮が届いたらすぐにお礼状をだします。目上の人には電話での連絡ののち手紙でお礼状を出すのが良いマナーとされていますが、こういった習慣は時代と共に簡略化されていくので、相手にしっかりとした敬意が伝わればお返事のカタチは何でもよいと思いますがどうでしょうか。

 ある調査では、お歳暮を贈っている人は3割ほどであるということです。意外と多いと思ってしまいました。感謝を伝えられるならカタチに縛られる必要はないと思いますが、マナーくらいは頭に入れておきたいですね。

募金をすることで、つながりを支援してくれている。

 歳末たすけあい運動というものをご存知でしょうか。毎年12月に生活に課題を抱えた人を募金によって支援する福祉活動です。赤い羽根や、NHKなど様々な団体が募金を行いますが、地域の社会福祉協議会が中心となって支援を実施しているようです。地域での支えあいを目的としていますので、社会福祉協議会が地域の課題に沿って対応をしています。募金で集められたお金は、支援金として届けられたり、商品券として届けられたり、支援する食料品の購入に充てられたり様々みたいです。赤い羽根共同募金の歳末助け合い運動では、40億以上の募金が集まり地域に分配されています。

 支援の範囲は経済的困窮に対するものだけではなく、地域とのつながりをなくし孤立している人にも及びます。一人暮らしの高齢者世帯は地域から孤立しやすいので、支援の対象になっているようですね。

 おそらくは、すべての人に支援の手を伸ばすことは難しいはずです。募金をすること自体が問題の解決方法ではないかと思いますが、助け合いの心は持っておきたいですね。

師走の候、冬将軍はお元気ですか。

 いよいよ12月となりました。今年やりたかったことはしっかりと済ませて、来年に持ち越さないようにしたいですね。

 旧暦の12月は師走(しわす)と呼ばれます。「極月」(きわまりづき)という言い方もするようですね。師走の語源はよくわかっていないようです。師(お坊さん)が忙しく走りまわるという説もありますが、語源ではなく後付けで考えられた俗説です。12月にだす、改まった手紙の書き出しでは師走の候などと書き出しますが、決まり文句として覚えておいた方が良いですね。

 親しい人への手紙の最初の挨拶として、冬将軍が到来し~などと相手を気遣う言葉も使う時期です。冬将軍とは、ロシアからやってくる本格的な寒気を指します。この寒気の正体は「シベリア寒気団」という、秋から冬にかけてシベリアの大陸上に居座る、低温で乾燥した気団です。日本ではこの寒気が南下してくることにより、日本海側では大雪が降り、太平洋側では乾燥した風が吹き荒れます。早ければ11月下旬から南下してきて、2月と同じくらいの気温になることもあるようです。気象情報では「真冬並みの寒さ」とよく表現されますね。冬将軍の由来は戦争の歴史にあり、ロシアへの進行が厳しい寒さによって失敗したことを「冬将軍に敗れた」と表現したことにあります。

 寒気によって急に寒くなる時もあるので、寒暖差に注意です。

お風呂の歴史は古い

 11/26はいい風呂の日です。冬も近づき、湯船にお湯をためる人も増えていることでしょう。お風呂の歴史を調べてみました。

 現在確認されるもので最も古いお風呂は、6000年以上前のメソポタミア文明にあります。現在のイラクのあたりにあった文明ですね。払い清めの沐浴のための浴室が神殿にあったようです。5000年前のインダス文明のモヘンジョ=ダロでは、中心に大浴場と呼ばれる公衆浴場がありました。時代が進み2000年前のローマ帝国の時代では、バルネア、テルマエと呼ばれる豪華な公衆浴場が多くの都市に少なくとも1つ存在し、社会生活の中心になっていたそうです。映画化もされた「テルマエ・ロマエ」というマンガがありましたが、古代ローマ人の浴場に対する情熱を題材にした作品でしたね。実際、一日中公衆浴場で筋トレなどをする古代ローマ人もいたとか。裕福な人が奴隷に体を洗わせ、お風呂も奴隷が温めていたようですが。

 その後、西洋ではキリスト教が浸透していった影響により、公衆浴場で入浴習慣はすたれていきます。欧米では現在でも自宅に浴槽がない人も多く、お風呂につかるのは月に1・2回程度が一般的のようです。

 日本はというと、温泉地が全国各地にあるように、お風呂好きの国民なのでしょう。毎日浴槽につかる人は4割以上だということです。ただし、ライフスタイル多様化によりシャワーだけで済ませる人も多くなりました。最近では浴槽がない物件もそう珍しくなくなりましたね。

 これから寒くなってくると、シャワーだけで済ますと体が温まりませんね。そういえば、浴槽の水は何日使いますか?あれだけの量の水を一日で捨ててしまうのはもったいない気がしますが、こう考える人はあまりおおくないのでしょうか。