ニュースでは将棋のルールについては一切触れないですよね。

 11/17は将棋の日だそうです。日本将棋連盟が1975年に制定しています。江戸時代、徳川吉宗が毎年旧暦11月17日を「お城将棋、および、お城碁(ご)の日」とし、お城将棋、お城碁を行っていたことに由来します。徳川家康が将棋好きだったようで、将軍様の前で将棋を指す「お城将棋」が公務であったとか。いかにも緊張しそうな公務ですが、勝ち負けで出世に違いとかがあったのでしょうか。将棋は江戸時代には遊ばれていたようですが、いつからあるのでしょう。

 将棋は、チェスなどと同じく、古代インドの「チャトランガ」が起源であると考えられています。「チャトランガ」はそれぞれ動きが決まった駒を盤面上で動かし、駒を取り合うボードゲームです。4人制と2人制のゲームがあるみたいです。戦いを模したゲームで駒はそれぞれ自分の兵力を表しています。将棋と同じく王を取った方が勝ちです。紀元前にはあったとされていますが、起源がいつ頃かは諸説あるようです。

 このチャトランガが日本にわたり将棋に、西洋にわたりチェスに、中国にわたりシャンチーになったと考えられています。将棋がいつごろ日本に伝わったのかは、いくつかの説がありますが、早いもので6世紀ごろと考えられています。古代インドからチャトランガが直接伝わった説もあれば、中国でシャンチーの形になってから伝わったとする説もあるようです。将棋の伝来に関しては、確定的な情報がなく、伝来時期が奈良時代の前後であるとほぼわかっている囲碁とは対照的です。囲碁盤が奈良時代正倉院の宝物殿に納められていたことを社会科で勉強したことを覚えていますか。囲碁の伝来が7~8世紀と考えると将棋の方が先に伝来した可能性もあるということでしょうか。

 将棋が日本で遊ばれるようになり、ルールの変遷はあったようですが、本将棋と呼ばれる現在のルールになったのが15~16世紀、室町時代と言われています。チェスにはとった駒を再使用するルールはありませんが、チャトランガから派生した世界の類似ゲームをみても再使用しない方が主流のようです。将棋は独自に発展したといえますね。

 将棋に競技人口は600万人いるらしいです。最盛期には2000万人近くいた時もあったようですので減ってはいますが、根強い人気があります。将棋館というのも昔は各地にあったようですが、いまは数を減らしています。

 初めてやろうとすると敷居が高く感じる人も多いでしょう。日本文化の一つで、今はメディアでもたびたびとりあげられますから、ルールくらいは覚えておくといいでしょう。「四間(しけん)飛車(びしゃ)」、「棒銀(ぼうぎん)」などというのは将棋の有名な攻め手の名前ですが、呼び名だけ知っていたら知ったかぶりできるかもしれません。