霜降の候いかがお過ごしですか

 11月の和風(わふう)月名(げつめい)は「霜月(しもつき)」です。霜の降る月で霜月だそうです。英語での月名 November は、「9番目の月」の意味で、ラテン語で「第9の」という意味の「novem」の語に由来しています。実際の月の番号とずれているのは、ローマ暦が3月から始まるので、3月から数えて9番目という意味であるそうです。

 霜の降る月と言いますが、実際には霜が降りるにはまだはやいですよね。これは、旧暦の11月が新暦の11月とずれているから。新暦でいうと、霜月は11月下旬から~1月上旬ごろに当たります。

季節を表す言葉として、二十四節気(にじゅうしせっき)というものがあります。中国から伝わった暦(こよみ)で1年を24分割して季節の指標とするものです。立春春分(しゅんぶん)、夏至(げし)、冬至(とうじ)などがカレンダーでもよくみる馴染み深いものですね。1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けています。12個の月は、節気と中気の二つに分けられています。旧暦の11月の霜月は、「寒露(かんろ)」と「霜降(そうこう)」に分けられています。今は、二十四節気(にじゅうしせっき)でいうと、「霜降(そうこう)」の時期です。次の節気が「立冬」ですので終わりがわかりやすいですね。今年の立冬は11/7です。立冬までは、お手紙の書き出しでは、霜降の候(そうろう)とか、霜降の折からなどと書きましょう。

 よくニュースなどで、「暦の上では~」と前置きして説明されるように、実際の季節感とはずれているので少し混乱しますが、日本の文化として覚えるしかありません。過去には、日本気象協会の主導で、実際の季節感と合わせた二十四節気(にじゅうしせっき)を普及させようとしたこともあったようですが、なかなか浸透せず、反対の声も多かったために計画は中止になっています。

 霜にはまだ早いですが、昼と夜の寒暖差が大きくなってきました。寒暖差が大きくなると、紅葉が色鮮やかになります。道端の落ち葉が目に付くことも増え、より秋らしくなりますね。そういえば、虫の声はもう聞こえなくなりました。冬は目に付く虫が少なくなるのがいいところです。